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主に映画の話しかしません。

好きな映画『タクシードライバー』

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好きな映画の紹介でも。今回はマーティン・スコセッシの「タクシードライバー

スコセッシといえば、やはり代表作はこのタクシードライバーだろうか。本作の成功はスコセッシの名を一躍世界的にし、主演のロバート・デニーロにとっても出世作となった。

この映画はとかく、独身男性に好まれる傾向にある。というのも、映画の内容が「独身男性の悲哀と孤独、そして暴走」と、男であるなら誰もが経験し得る一種の「通過儀礼」を描いているからだ。

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ベトナム帰還兵でもある主人公トラビスは、日々客を求めて夜の街を彷徨う一人のタクシードライバー。とある政治後援会の女性べッツィと知り合ってからというもの、水を得た魚のようにアプローチをかけるトラビスだが、行動力とは裏腹に、その眼差しにはどこか空虚な雰囲気が漂う。

一見大人しそうな性格でいて、その実血の気に飢えている。他人に興味があるようで、本当の意味で他者と交わることが出来ない自己中心的な人間。相反する二つの要素を持つアンビバレンツな人間…歩く矛盾とでも呼べる存在がトラビスという男の本質なのだが、上部の綺麗さが美徳とされ、他者との関わりを仮面のように使い分けることがビジネススキルとして求められるここ日本社会においても「内気に見えて実は暴力性を秘めた独身男性」は、相当数いるように思えてならない。

スコアを担当したバーナード・ハーマンにとって本作は遺作となったが、そのムーディなジャズサウンドは、ネオンが蕩ける映像美と相まって一種のドラッグ効果のような心地よさを生み出している。粒揃いの名曲が収録されるサウンドトラックはなかなかの名盤なので、映画と合わせてしっかりと押さえておきたいところだ。