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主に映画の話しかしません。

好きな映画『メッセージ』

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好きな映画の紹介でも。今回はドゥニ・ヴィルヌーヴの「メッセージ

テッド・チャンの短編小説「あなたの人生の物語」をベースに、長編作品としてリビルディング(再構築)されたSF映画。世界各地に現れた謎の宇宙船・異星人を相手に、言語学者のルイーズ・バンクス(エイミー・アダムス)、物理学者のイアン・ドネリー(ジェレミー・レナー)、アメリカ軍大佐のウェバー(フォレスト・ウィテカー)たちが立ち向かう。

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展開や設定の複雑さで難解な映画として捉えられる本作だが、上位存在の導きによる人類の進化を描いたキューブリックの「2001年宇宙の旅」を下地に、スピルバーグの「未知との遭遇」を足したような内容と思えばそんなに難しくもないように感じる。

「人類を次の段階に進める」という要素だけ掻い摘めば、中々に壮大なテーマを扱っているようにも思えるものの、その実焦点が当てられるのはあくまで個人一人一人の「受容」と「愛」であり、運命や他者を受け入れ成長していく主人公の姿に、超常的な力や奇跡は特に関係してこない。

主人公ルイーズ博士は、異星人が伝えようとする「メッセージ」をヒントに、人類が結束するために必要な「ある方法」に気づくのだが、その方法を選択することによって、将来自分に訪れる運命についても悟ることとなる。それは、愛する者との別れ、即ち「死」だ。

命あるすべての生物は、誕生と同時に死に向かい歩き始める。それは、避けることの出来ない生者の義務、運命である。愛する者との別れの時…自分の人生に必ず訪れる死という運命を、神でもない人間に変えることは決して叶わない。だが、運命は変えることは出来なくとも、受け入れることだけは出来る。この映画で描かれているのは、死という別れに対する気高く美しい「覚悟」の物語だ。