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入門『機動警察パトレイバー 』

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2019年、1988年にOVAとして企画が始まった「機動警察パトレイバー 」は、今年で31周年を迎える。監督押井守を筆頭に、ゆうきまさみ(キャラ原案)、高田明美(キャラデザイン)、出渕裕(メカデザイン)、伊藤和典(脚本)、川井憲次(劇伴)ら実力派メンバーで製作にあたった本シリーズは、劇場版、テレビシリーズ、実写と紆余曲折を経ながらも、30年以上も続く人気タイトルとなった。

パトレイバーは、ロボットアニメの体を取りながら、その実ロボットがあまり活躍しないという風変わり且つ型破りなロボットものとして発表当時注目を集め、警察組織における公務員たちの悲哀や苦労に焦点を当てた斬新な構成は、後に続く多くの作品に影響を与えた。

特に、テレビドラマ「踊る大捜査線」はパトレイバー の影響を多大に受けていることを製作者自身が公言しており、組織内部で発生する上層部と現場による軋轢や、制約によって生まれる喜劇や悲劇など、パトレイバーから引用された要素や展開は多く見られる。

また、海外にもパトレイバーのファンを公言するクリエイターは数多く存在し、有名どころでは「ターミネーター」のジェームズ・キャメロンや、「ヘルボーイ」のギレルモ・デル・トロなど、パトレイバー好きが高じて、自身の作品でオマージュを捧げたり、来日した際、監督である押井守と対談をしたりと、その影響力は計り知れない。

といった具合に、今なお多くのファンを魅了するパトレイバーシリーズだが、OVA、劇場版、テレビシリーズ、マンガ、実写etcと、シリーズ関連作品が多すぎて、敷居の高さに新規のファンが入りづらいのも事実。そんなわけで、シリーズ全作品を振り返りつつ、私的チョイスによる「これだけは観ておけ」という作品を紹介していきたいと思う。

 

【シリーズの原点“アーリーデイズ”】

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1988年製作、全6話(+1話)のOVAとして発表されたシリーズの出発点。監督は押井守。メカオタクである主人公泉野明を筆頭に、個性豊かな特車二課のメンバーが織りなすスラップスティック・コメディ色強めな群像劇。製作時の壊滅的とも言える低予算ぶりと、監督押井守の「そもそも二足歩行ロボって必要か?」という本末転倒な趣向が色濃く反映されたことによって、殆どロボットが活躍しない異色の内容となってしまったものの、その面白さは折り紙つき。ちなみに、後のシリーズは全てこのアーリーデイズの変奏となっているので、全シリーズの中でもかなり重要な一作となっている。

 

【初の劇場作品”機動警察パトレイバー the Movie“】

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1989年公開、上映時間は100分。監督は押井守OVAの低予算ぶりとは打って変わったリアル且つ緻密な作画や、迫力のアクションシーンに度肝を抜かれたファンも多い。難解な映画を作ることが多い押井守にしては、かなり分かりやすい内容となっているので初心者にもおすすめ。

 

【初のテレビシリーズ“機動警察パトレイバー ON TELEVISION”】

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1989~1990年放送、全47話。監督は吉永尚之OVA、劇場版では詳しく語られなかった特車二課メンバーの掘り下げがメインのテレビシリーズ。監督交代やコンセプトの変更もあり、前シリーズとは若干雰囲気が異なる仕上がりとなっている。OVA、劇場版とは繋がらないパラレルワールド設定なので、個人的には別に見なくても良いといった印象。

 

OVAシリーズ第二段“機動警察パトレイバー NEW OVA

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1990年~1992年発表、全16話。監督は吉永尚之。テレビシリーズのその後を描いたOVAシリーズで、雰囲気は初期OVA寄り。テレビとアーリーデイズの中間といった体の作品だが、テレビシリーズと同じく、個人的には別に見なくても良いといった印象。

 

【劇場版第二段”機動警察パトレイバー2 the Movie“】

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1993年公開、上映時間は113分。監督は押井守。劇場版1の3年後を描いた続編で、東京が陸上自衛隊による武装蜂起で戦場に変わる様を描く。ハードボイルドな内容と、そのリアルな戦時シュミレーション描写が話題を呼んだが、「これはパトレイバー ではなく“押井映画”だ」とファンの間では賛否両論意見が分かれる。

 

【劇場版第三段”WXIII 機動警察パトレイバー“】

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2002年公開、上映時間は100分。監督は高山文彦。同時上映に「ミニパト」。ゆうきまさみによる漫画版の1エピソード「廃棄物13号事件」を原案にした劇場作品。レイバーが殆ど登場しないどころか、特車二課のメンバーも脇役に徹する番外編的な一本。パトレイバー2以上にパトレイバーらしさからかけ離れた内容となっているが、作品自体のクオリティは決して低くなく、怪獣映画ファンからの評価も高い。

 

【初の実写化“THE NEXT GENERATION -パトレイバー-”】

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2014年~2015年製作、全7話。監督は押井守パトレイバー3以来12年ぶりの映像作品であり、パトレイバー2のその後を描く正統続編。雰囲気は初期OVAのそれに近いが、登場人物は一部を除いて総入れ替えされている。話自体は悪くないのだが、個人的には(テレビアニメ以上に)そこまで見る必要も感じられない。

 

【劇場用の長編作品“THE NEXT GENERATION -パトレイバー-首都決戦”】

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2015年公開、上映時間は94分。監督は押井守パトレイバー2で描かれた軍事クーデターのリブートといった体の長編映画。短編シリーズ同様、個人的には正直そこまで見る必要も感じられない。

 

【実験的短編アニメ“機動警察パトレイバーREBOOT”】

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2016年発表、上映時間は8分。監督は吉浦康裕。スタジオカラーのオムニバス短編アニメ作品群『日本アニメ(ーター)見本市』の中で発表された短編作品で、キャラクターも時系列も一新された、文字通りのリブート作品。雰囲気はテレビアニメ版に近い。

 

【まとめ】

映像媒体に限ったシリーズ作品は、大体こんなところである。この中で個人的な見解による『これだけは観ておけ』という作品は、「アーリーデイズ」「劇場版1」「劇場版2」「劇場版3」の4つだろうか。理由としては、余計なもの(ロボットやマンガ的要素)が極力削ぎ落とされ、人間ドラマを中心とした大人向けな作品として仕上がっているからだ。

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といった具合で、この辺で紹介も終わりたいと思う。なお、今後の新作として「パトレイバーEZY」の製作が2017年に発表されているが、関係者によれば、「30年後」をテーマにオリジナルスタッフを再結集して製作にあたるのだそうだ。

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