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好きな映画『パーフェクトブルー』

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好きな映画の紹介でも。今回は早逝の鬼才・今敏のサスペンス映画「パーフェクトブルー

監督曰く、サイコホラーをテーマにしたアニメ映画はこの作品が史上初だそうで、実際サイコホラーのアニメ映画など、本作以外見かけた試しがない。それくらいに、かなりレアなアニメ作品がこの「パーフェクトブルー」だ。

ストーリー自体は、アイドルから女優へと転身した天真爛漫な女の子霧越未麻が、芸能界の汚さや自身の承認欲求、そしてファンやマネージャーから押し付けられる理想像に溺れ、自分が何者なのかを次第に見失っていく…というもの。

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この映画でテーマとなっているのは、劇中劇の「ダブルバインド」が示す通り人間が持つ「二面性」であり、人が他者と関わる上で無意識に付ける「仮面」こそが、この映画では重要な要素を担ってくる。

理想と現実が織りなす「ギャップ」という溝は、次第に自分の心を二つに引き裂き、やがては理想の自分が現実の自分を殺しにやってくる。夢と現実の混在という、今敏お得意の幻想技法は、監督デビュー作でもある本作から既に健在だ。

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余談ではあるがこの映画、ダーレン・アロノフスキーの映画「ブラック・スワン」に大きな影響を与えていて、ファンや評論家からも、その内容の類似性から「パーフェクトブルー」との共通点を数多く指摘されている。

アロノフスキー監督自身、「レクイエム・フォー・ドリーム」の中でパーフェクトブルーのワンシーンを再現したり(その為にわざわざパーフェクトブルーの映像化権を買ったらしい)、2001年ごろ来日した際今敏監督と対談を行っていたりと、影響については本人も認めるところ…の筈なのだが、監督曰く、「ブラック・スワンの発想は白鳥の湖からきている」のだそう。なんとも煮え切らない黒い疑惑に、両監督のファン揃ってガックシである。

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