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主に映画の話しかしません。

好きな映画『ファーゴ』

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好きな映画の紹介でも。今回はコーエン兄弟の「ファーゴ

天才コーエンブラザーズが送る、雪だるま式クライムサスペンス劇。「1987年、ミネソタ州ミネアポリスで起こった、実際の事件を元に映画は作られた」…という一文で映画は開始されるが、これはあくまで演出であり、映画自体は完全なフィクションである。以下はあらすじ。

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多額の借金に悩む自動車セールスマンのジェリーは、金銭的な苦境を脱するため妻ジーンの狂言誘拐を企み、裕福な義父から8万ドルの身代金をせしめる計画を立てる。後日、ツテを頼って紹介された実行犯、カールとゲアの二人と共謀して誘拐を実行させるのだが、事件は誰もが予想しなかった最悪の事態へと発展していく…。

ノースダコタ州の都市ファーゴとその周辺を舞台に繰り広げられる、杜撰な犯人による杜撰な犯行。そして、暴走の果てに待ち受ける狂気の宴。事件の真相を追うのは、ホームズではなくコロンボでもなく、ジョン・マクレーンでもない、どこにでもいる北部訛りのおばさん警察署長マージ(フランシス・マクドーマンド)。

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まるで事件の深刻さと反比例するかのように、アッサリと真相に辿り着き、犯人に銃を突きつけ追い詰めていくマージ女史。 そこにはスペクタクルさも深刻さも感じられず、サスペンス的な盛り上がりは一切存在しない。あるのはただ、「人を傷つける」という行為に対する愚かさ、衝動的に犯行に走る人間の間抜けさだけだ。

ラストシーン、パトカーの後部座席に座る犯人に向かってマージは静かに語りかける。

「なんでこんな事を?何のために?僅かなお金のため?人生は、もっと価値があるのよ。そう思わない?バカなことを。こんないい日なのに…理解できないわ」

悲劇とは、裏を返せば喜劇でもある。だが、喜劇のような事件だからこそ、巻き込まれた人間にとってはこの上なく悲劇でもある。ファーゴとはつまり、そういうことを描いた映画だ。

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