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主に映画の話しかしません。

好きな映画『仮面/ペルソナ』

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好きな映画の紹介でも。今回はベルイマンの「仮面/ペルソナ

巨匠イングマール・ベルイマンが送る、モンタージュとサブリミナルで描く自己と仮面の物語。仮面の下にある顔は、果たして誰のものなのか?以下はあらすじ。

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舞台女優のエリザベートは仕事も家庭生活も順調で何不自由ない生活を送っていたが、突如として失語症に陥ってしまう。海辺の別荘で療養生活を送ることになった彼女は、献身的に世話をしてくれる看護師アルマと親しくなる。しかし、共同生活を続けるうちに、互いの自意識の仮面が徐々に剥がれ落ちていき……

回転する映写機、蜘蛛、男性器、磔にされる手。様々な映像がサブリミナル的に繋げられ、さながらモンタージュのように機能していく衝撃的なオープニングで開始されるこの映画は、その余りに実験的な内容・映像故に、難解映画として捉えられる一作だが、その実やっていることはフィンチャーの「ファイトクラブ」と殆ど一緒。というより、ファイトクラブの元ネタがこの映画なのだから、内容が似ているのは当然なのだ。

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内容に関して一応の解説、というかネタバレをしておくと、この映画は要するに「ジキルとハイド」のような乖離する個人の二面性を描いた物語で、個人が抱えるトラウマやストレス、または罪の意識が、自我から分離した「もう一人の自分」を生む様子を描いている。

なぜ、エリザベートは自分の過去に対して罪の意識を持っているのか?それは、もう一人の自分であるアルマが語った「ある懺悔」と、冒頭とラストシーンに映し出される「ある人物」の姿が全てを説明している。

この作品が映画界を含むカルチャー文化に及ぼした影響は数知れず、「ファイトクラブ」「マルホランドドライブ」「複製された男」「スイミングプール」などは、全てこの映画を基にした変奏版といえるだろう。

ベルイマンお得意の罪と懺悔が入り混じる内省的実験映画。その魔術的な映像の数々は、内容を抜きにしてもお釣りがくるくらいに刺激的かつエモーショナル。死ぬまでに一度は観ておきたい傑作だ。