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好きな映画『イレイザーヘッド』

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好きな映画の紹介でも。今回はデヴィッド・リンチ衝撃のデビュー作「イレイザーヘッド

リンチが個人資金を使い、5年もの歳月を費やして完成させた個人制作映画。その悪夢的な内容とサウンドは、一部の映画ファンにカルト的な人気を博し、伝説となった。以下はあらすじ。

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フィラデルフィアの工業地帯で働く印刷屋の職工ヘンリーは、ガールフレンドのメアリーから子どもを妊娠したことを告げられる。しかし、生まれてきた赤子は恐ろしい姿で、異様な泣き声で彼らを苦しめる。やがて、生活に耐えられなくなったメアリーは家を飛び出してしまう…。

意味不明な内容と、その悪夢的すぎる映像イメージに理解が追い付かない本作だが、これは製作当時、妻が身籠り子供が生まれたことで、若くして身を固めなければならなくなったリンチの状況(心境)を、ロマン・ポランスキーの映画「反撥」に重ねて作られた実録映画(のようなもの)だ。

「反撥」はカトリーヌ・ドヌーヴ演じる主人公のキャロルが、妊娠する(かもしれない)恐怖で頭がおかしくなり、世界が悪夢的世界へと変貌する様子を描いたホラー映画だが、これから創作で食べていこうと考えていた当時のリンチにとって、子供を授かるという事態は、反撥のキャロル同様悪夢として写ったらしい。その精神的ストレスと恐怖は、フィルムに怨念のごとく映し出され、リンチが持つシュルレアリスム的世界観と合わさることで、唯一無二の映画を生み出した。

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本作で主演を務めたヘンリー役のジャック・ナンスは、その演技と存在感が認められ、以後ファミリーの一員としてリンチ作品に参加していくことになるのだが、その最期はドーナツ屋でトラブルに巻き込まれ、頭を殴られた後に怪死という何とも奇妙なものであったという。