その辺の趣味ブログ

主に映画の話しかしません。

好きな映画『現金に体を張れ』

f:id:DeadPoetsSociety:20190328134248j:image

好きな映画の紹介でも。今回はキューブリックの「現金に体を張れ

キューブリックが撮った最後のフィルムノワールにして、後の犯罪サスペンス映画に大きな影響を与えた傑作。以下はあらすじ。

f:id:DeadPoetsSociety:20190328134401j:image

ジョニーは出所したばかりにも関わらず、競馬場の売上金強奪を企み仲間を集める。周到な準備の末、いよいよ決行の時が来るが、計画が成功したかに思えた瞬間、思わぬ展開がジョニーたちを待っていた……。

一滴の血を流すことなく、現金強奪計画を遂行する様子を描いたクライムサスペンス。過去と現在が行き来する時間軸のシャッフルや、ピエロの面で素顔を隠す実行犯など、その印象的な技法や演出が後の映画に多大な影響を及ぼした。タランティーノの「レザボア・ドッグス」も、ノーランの「ダークナイト」も、元を辿ればその原案はここからきている。

個人資金を使って制作した(自称)失敗作「恐怖と欲望」や、まだまだ至らない点も多い商業デビュー作「非情の罠」に比べると、本作は格段に完成度が高く、キューブリックらしいキレの良いショットや、皮肉を効かせた諸行無常な脚本の妙が光る。初期作品の中では、大作「スパルタカス」や「ロリータ」などに比べていまいち認知度が低い本作だが、分かりやすさ(大衆受け)とキューブリックらしさの塩梅が最も取れたその構成は、入門の一本としてオススメと言えるだろう。

余談ではあるが、本作の邦題はジャック・ベッケルの「現金に手を出すな」にあやかってつけられたもので、原題自体は「The Killing(殺害)」と現金とは全く関係がない。