その辺の趣味ブログ

主に映画の話しかしません。

好きな映画『ファントム・オブ・パラダイス』

f:id:DeadPoetsSociety:20190329131514j:image

好きな映画の紹介でも。今回はデ・パルマのカルトロックミュージカル「ファントム・オブ・パラダイス

映画秘宝編集長・町山智浩がオールタイムベスト10の一本に挙げた、ブライアン・デ・パルマ初期の傑作にして最高傑作。オペラ座の怪人をロックミュージカルテイストにチューニングしたカオスな内容、そして、流れるような編集技術は、発表から45年経った今もなお多くのファンを魅了する。以下はあらすじ。

f:id:DeadPoetsSociety:20190329131828j:image

自分の曲を盗作された上に無実の罪まで着せられた青年音楽家ウィンスロー。刑務所を脱走した彼は、レコードのプレス工場に忍び込んだ時、機械で顔半分を押しつぶされてしまう。仮面で顔を隠した彼は、恋する女性のために、劇場の屋根裏で作曲を続けるが……。

持つ者と持たざる者、天国と地獄を交互に描き、全てを綯い交ぜにしながら一人の男の破滅を描く、巨匠デ・パルマの一大叙情詩。優れた音楽を生み出しながらも、手柄を奪われ地獄に堕とされる青年ウィンスローを演じるのは、デ・パルマが学生時代からタッグを組む盟友ウィリアム・フィンレイ。強烈なインパクトを放つギョロッとしたその目つきは、素顔を隠す仮面の下からも圧倒的な存在感を放つ。

本作の魅力はなんといっても、世界一のヒッチコックフォロワーこと、デ・パルマによるめくるめく映像技法、そして編集技術の素晴らしさに尽きるが、その映像を更に一段階上の次元へ昇華させているのが、音楽プロデューサー役スワンを演じ、同時に劇中の音楽も担当しているポール・ウィリアムズの痺れるような楽曲の数々だ。

オープニングを飾るジューシー・フルーツのご機嫌なナンバー「Goodbye, Eddie, Goodbye」や、「この世は地獄」と怨念を掻き鳴らす「The Hell Of it」など、カーペンターズへの楽曲提供で知られるウィリアムズが作り出す魔力に満ちたサウンドは、観るものを地獄の世界へ引きずり込み、同時に天国へと昇天させる。

f:id:DeadPoetsSociety:20190329143810j:image

また、本作でヒロイン・フェニックスを演じる、ジェシカ・ハーパーの天使のような存在感も見逃せない。オカルトホラー「サスペリア」で見せた恐怖顔とは一味異なる、透明感あるその美しさは、ウィンスローが全てを捧げるのも納得の佇まいだ。

報われぬ恋、忘れられる存在。あらゆる地獄をかいくぐる、持たざる者の悲しき断末魔が鳴り響く、怪奇ロックミュージカルの大傑作。

ファントム・オブ・パラダイス

ファントム・オブ・パラダイス

  • アーティスト: サントラ,ポール・ウィリアムス
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック
  • 発売日: 2017/03/29
  • メディア: CD
  • この商品を含むブログを見る