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主に映画の話しかしません。

好きな映画『バリー・リンドン』

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好きな映画の紹介でも。今回はキューブリックの「バリー・リンドン

百姓出身の若者レイモンド・バリーは、如何様にしてバリー・リンドンの暮らしと称号を我がものとするに至ったか。以下はあらすじ。

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アイルランドの農家の息子バリーは従姉のノラと恋に落ちるが、イギリス軍のクイン大尉が現れてノラとの結婚話を進める。バリーはクイン大尉に銃での決闘を申し込んで勝利するものの、追われる身となり村を出る羽目に。放浪生活を続けて一文無しになったバリーは、立ち寄った村でイギリス軍の兵員補充に志願するものの、軍隊から脱走し、今度はイギリス軍の将校に成りすますのだが…

スパルタカス」に続く、キューブリックの史劇スペクタクル巨編第二弾。撮影資金の調達失敗により幻に終わった企画「ナポレオン」の研究資料を元に作られた本作は、18世紀のヨーロッパを舞台に、一人の男の貴族社会への成り上がりと没落を描いていく。言うなればこの映画は、ナポレオンのスピアウト企画だ。

規模の小さいナポレオンとして製作が進められた本作は、セットを用いらず、照明も全編自然光のみの撮影で完了させ、衣装や小道具に至るまで徹底的にこだわり抜くことで、舞台である18世紀の空気の完全再現を目指した。その甲斐あってアカデミー賞では撮影賞、美術賞含む4部門での受賞となったが、興行的には苦戦したことで、制作費を回収するまでにそれなりの時間を要したとか。

この映画でキューブリックが目指したものは、本来ナポレオンで描くはずだった「貴族社会の馬鹿馬鹿しさ」と「個人の凋落」の様子で、自分の権力を固めるために方々を奔走するバリーの愚かさ、そして金に溺れた生活の虚しさが、キューブリックらしい皮肉に満ちた展開と演出で鋭く描かれていく。

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バリー役を務めるライアン・オニールは、プライドの高さと人間の小ささが原因でしょっちゅうトラブルを起こしていた俳優で、2007年にはロサンゼルスのマリブの自宅で、息子に向かって銃を発砲し逮捕される事件を起こしている。他にも、1973年の『ペーパー・ムーン』で、娘のテイタムと初共演した際、彼女がこの作品でアカデミー助演女優賞にノミネートされたことを知ると、嫉妬して受賞会場に欠席するなど、作中のバリー同様高慢な姿を周囲に見せつけ呆れさせた。

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