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好きな映画『時の支配者』

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好きな映画の紹介でも。今回はフレンチアニメーションの鬼才ルネ・ラルーの「時の支配者

バンド・デシネ界の権威メビウスとタッグを組み、3年の歳月をかけて完成させたパラドックスSFアドベンチャー。以下はあらすじ。

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惑星ペルディドで地球人の父子が異変に巻き込まれた。父クロードは高性能通信機を息子のピエールに渡すと息絶えた。ピエールからのSOSを受けた宇宙船ダブルトライアングルズ号は救援に向かおうとするが、彼らの前にも数々の危難が立ちふさがる。やがて全宇宙を支配しようとする“時の支配者”の存在が明らかになるが、それにはピエール少年の未来も大きく関わっていた……。

フランスのSF作家、ステファン・ウルが1958年に発表した長編小説『ペルディド星の孤児』を原作に、ラルーとメビウスが共同で脚本を書いて制作した、銀河を股にかけたスペースサバイブもの。

惑星ペルディドで謎の黒い雲に追われ、重傷を負った父クロードは幼い息子のピエールに卵形の高性能通信機を渡して息絶える。クロードのSOSを受信した宇宙船ダブルトライアングルズ22号の艦長ジャファールは、救出のため船をペルディド星へ急行させた。

宇宙船は途中、デヴィルス・バル星に立ち寄り、番人であるシルバード老人に助っ人を以来する。時を同じくして、ハスの花から生まれたテレパシー妖精ジャドとユーラを新たな仲間に、少年救助の旅が本格的に開始される。ペルディド星のピエールとは、通信機を通じて定期的に連絡がなされる中、子供の頃ペルディドにいたというシルバード老人は、同じ境遇の経験から彼を元気づけるのだが…。

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宇宙全体を支配し、時間すらも操る絶対的な存在「時の支配者」。この物語の根幹を成し、全ての鍵を握るであろう彼らの正体は、上映時間が残り10分になった時点でようやく判明する。神にも近い存在である彼らは、自分たちに従わない反抗的なペルディド星人に対し、時を60年戻すことでペルディド星を宇宙から消し去ってしまう。その際、時空に僅かな歪みが生じ、過去と未来が一つの世界に存在するという、パラドックス現象が生じてしまう。

 

ーーー以下ネタバレ注意ーーー

 

その時間的齟齬とは、遭難した少年ピエールが、「過去と未来で同じ時間軸に存在してしまう」というもので、過去の存在であるピエールにとっての未来の自分とは、自分を助けるため救出ミッションに参加した老人シルバードであった。だが、シルバードは時が巻き戻る際に発生した磁気嵐のショックで衰弱し、ピエールと直接会うことなく亡くなってしまう。

ラストシーン、時の支配者やジャファールら仲間たちが見守る中で、シルバードの宇宙葬が行なわれる。父との別れを経験したこれまでの冒険と、これから先に待ち受ける自らの苦難と運命。自分の最期を見送りながら、ピエール少年は未来に向かって歩き始める。

やがて誰にも訪れる老い、別れ、そして死。時に残酷である反面、誰にでも平等な時間という概念は、人間が想像する神に最も近い存在なのかもしれない。

全クリエイター志望必見、バンド・デシネの神様メビウスの絵がアニメで動く、神懸かり的芸術作品。

時の支配者〈デジタル・ニューマスター版〉 [DVD]

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