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好きな映画『ユーリー・ノルシュテイン作品集』

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好きな映画の紹介でも。今回はロシアアニメーション界の巨匠にして、世界的に有名な芸術アニメ作家ユーリー・ノルシュテインの諸作品を集めた『ユーリー・ノルシュテイン作品集

宮崎駿高畑勲を始め、アニメを生業とする世界中の作家たちから、国や時代を超えて熱い視線を集め続ける孤高の天才作家、ユーリー・ノルシュテインによる、世界最高峰のアートアニメーション集。以下はあらすじ。

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世界中のアニメーション、映像関係者から絶大なリスペクトを受け、もはや生ける伝説とも言えるロシアのアニメーション作家ユーリー・ノルシュテイン。発表したほとんどの作品が国際的な映画祭で数々の賞に輝き、中でも1979年の『話の話』は1984年に米国の映画芸術アカデミーと国際アニメーション協会ASIFAが共催した国際アンケートで「歴史上、世界最高のアニメーション映画」として認定されるほどの評価を獲得した。

世界最高の芸術アニメ作家は誰かと聞かれれば、それはユーリー・ノルシュテインと誰もが口を揃えて答えることだろう。切り絵を使った緻密な製作を用いるノルシュテインの演出方法は、気が遠くなるような作業量を彼とその妻、フランチェスカのたった二人で作り上げている。その独特かつ斬新な表現手法は、アニメーション(というより映像)の基本原則である“仮現運動”(瞬間的に出現したり消失したりすることによってあたかも対象が実際に運動しているように見える現象)の枠を飛び越え、空間に独特の奥行きと空気感、そして命を生み出す。

ノルシュテインソ連時代に製作した数々の短編映画は、そのどれもが動く絵本とでも呼ぶべき作品に仕上がっているが、中でも代表作である「霧の中のハリネズミ」と、「話の話」における光、空気、そして影の使い方は、全ての映像作品を含めたとしても、唯一無二の表現力と美しさを誇っている。

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今でこそ、多くの人々から愛され、14年のソチオリンピックにおけるオープニング映像では「霧の中のハリネズミ」の映像が一部使われるなど、ロシアが誇る文化の一部となったノルシュテイン作品だが、その道のりは決して楽なものではなく、多くのソ連人作家がそうであったように、表現に対する規制や監視に、作品が切り裂かれそうになったことも多々あった。

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世界アニメーション史上最高傑作とも呼び声高い「話の話」も、当初の検閲では29分の上映時間を大幅に削るよう当局から通達され、「それをするくらいなら永遠に発表しない」とノルシュテインは頑として反発したという。その後、何かの拍子で“数奇にも”ある映画祭でノーカット版が上映されたことで、数々の賞を受賞し作品は一躍脚光を浴びたが、この偶然がなければ、この芸術作品は永久に葬られていたというのだから、世の中は分からないものだ。

幼少時代に感じた自然に対する畏敬と恐怖。瑞々しい子供のイノセントを呼び起こす数々のアニメーション作品たちは、国や時代を超え人々の心に強い感動と驚きを届け続ける。死ぬまでに一度は見るべき、至高の芸術作品だ。