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主に映画の話しかしません。

好きな映画『ダークマン』

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好きな映画の紹介でも。今回はサム・ライミの「ダークマン

動ける中年俳優ことリーアム・ニーソン出世作にして、後に作られることになるスパイダーマンシリーズへの布石ともなった、サム・ライミ渾身の野心作。以下はあらすじ。

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恋人の女弁護士が手掛けている事件に巻き込まれ、研究室ごと吹き飛ばされた天才科学者ペイトン。辛くも一命を取りためたものの、全身に火傷を負い顔を失った彼は、組織の人間へ復讐を果たすため鬼と化して復活する。人工皮膚を駆使して他人に変身する能力を身につけたペイトンは、闇に潜む無貌の復讐鬼“ダークマン”となり…。

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かねてより「スパイダーマン」の大ファンで、いつか自分の手で映画化したいと野心を燃やしていた若きサム・ライミであったが、どこにアプローチをかけても返ってくるのは「ああ、キミ死霊のはらわたの…」という冷めた反応ばかり。

切り落とした自分の右手と闘う馬鹿映画(死霊のはらわた2)を撮ったり、怪力男と電気棒男に追いかけ回されるクソ映画(XYZマーダーズ)を撮ったりしている内に、いつの間にか「真面目な映画を撮れないダメ監督」の烙印を押されてしまったライミは焦った。「このままだと、俺はスパイダーマンを撮れない!」

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当時、スパイダーマンの監督候補筆頭には、あのジェームズ・キャメロンが名を連ねているということもあって、とうとう本気で焦った彼は、スパイダーマンに対する情熱と気概を一本の映画に凝縮し、ヒーロー映画界に殴り込みをかけにいく。それこそが、本作ダークマンだ。

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99分経つと融解してしまう人口皮膚を身につけたペイトン博士は、その利便性から悪人たちを次々に欺き、破滅へと陥れ、見事復讐を果たすことに成功するものの、もう一つの悲願である、元の生活に戻ることは決して叶わない。魔法が解けたら灰かぶりに戻るシンデレラのように、在りし日の「普通の生活」は、99分という制約や、復讐の代償として獲得した“怒り”と共に最早彼方へと消え去ってしまった。

ラストシーン、恋人の安全を守るため、ダークマンは自らの愛を犠牲に彼女の元から姿を消すことを選ぶ。ここで描かれるのは、スパイダーマンお馴染みの名フレーズ「大いなる力には、大いなる責任が伴う」だ。

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本当の素顔をひた隠し、人知れず立ち上がるダークマンの姿を通して、親愛なる隣人ことスパイダーマンに対する布石を打ったライミは、ダークマンのヒットで一躍その名を轟かせることに成功する。

その後、「ギフト」「シンプル・プラン」「ラブ・オブ・ザ・ゲーム」と、ジャンルの異なる映画を次々に手掛けていったのも、全ては「スパイダーマンを撮りたい」という大いなる野望のため…「ちゃんとマジメな映画も撮れるぜ!」とアピールをしたかったからである。

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ダークマンからおよそ10年後、念願叶ってスパイダーマンの監督に抜擢されたライミは、後に始まるマーベル映画ブームの礎を築くことになるスパイダーマン三部作の製作に着手し、見事シリーズを大ヒットに導くのだった…が、

二作目までは良かったものの、三作目で大いにズッコケたことで、3はファンの間で鬼子扱いを受けてしまう。大いなるタイトルには、大いなる責任が伴うことを痛感するライミであった。