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主に映画の話しかしません。

好きな映画『女の都』

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好きな映画の紹介でも。今回はフェリーニ晩年の傑作「女の都

女、女、女。女だらけの姦天国。もしくは、地獄。以下はあらすじ。

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列車の中で乗り合わせた巨乳美女を追って、途中下車してしまう無類の女好きスナポラツ。だが彼は、ウーマンリヴのメンバーやパンク少女など、次々現れる女たちに翻弄されながら、壮麗な夢の迷宮の中に入っていく……。

甘い生活」に始まり「8 1/2」そして本作と、フェリーニが自身のダブル(分身)として度々起用するイタリアの伊達男マルチェロ・マストロヤン二。彼との三度のタッグによって生まれた女だらけの人生狂想曲は、フェリーニの女性に対する畏怖と畏敬の念混じり合う、ある種集大成的な作品だ。

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旅の道中乗り合わせた巨乳美女を追って、途中下車した森を抜けた先にある怪しげなホテル。そこで開催されている大集会に紛れ込んだ主人公スナポラツは、女だらけの桃源郷に心躍らせ胸膨らませるのだが、そこにいたのは、男性のような体つきをした淫乱な掃除婦、パンク・ファッションの少女、そして怒れるフェミニスト軍団という、誰も彼もが常識では測れないイカれた連中ばかりであった。次から次に現れる破天荒女たちに翻弄され、次第に辟易していくスナポラツは…。

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かねてよりハーレム、酒池肉林幻想を胸に秘めていた(別に秘めるほど隠してもいないが)フェリーニの妄想・幻想が爆発した本作は、「8 1/2」や「サテリコン」で見せたハーレム描写をもう一段階進化させたばかりか、「カサノバ」の過激な性描写をも上回る卑猥さ、下劣さでもって、もはや制御不能のダンプカーと化した超怪作の一本だ。

8 1/2」において、映画監督グイドが夢想したハーレム屋敷「女の都」を具現化させたかのような、夢の世界を渡り歩く主人公スナポラツ。「かくも下品・下劣且つパワフルで、その上酷く恐ろしい。だが、それを補って余りある美しさ。それが女だ」とでも言いたげなフェリーニ独特の女性観迸る本作の内容は、人によって受け取り方が分かれること請け合いなので何とも言えないところだが、一つ確かなのは、この作品は実に愉快で、馬鹿馬鹿しくて愛おしい。

前作「オーケストラ・リハーサル」を最後に、長年連れ添った盟友ニーノ・ロータに先立たれたことで、フェリーニは本作から劇伴に絶対の信頼を置けない状況に立たされる。ロータを欠いたフェリーニ作品は、かつての色気・輝きを失ったとも言われがちだが、少なくとも、本作の下劣さは過去最高であり、その映画的快楽は依然健在と言えるだろう。

女の都 【HDマスター】[Blu-Ray]

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