その辺の趣味ブログ

主に映画の話しかしません。

オールタイムベスト10選

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ブログが開設一周年を迎えました。

記念に私の好きな映画オールタイムベスト10選でもやりたいと思います。ちなみにあくまで「」なので、ランキングではありません。というわけでいってみよう。

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※この記事の所要時間はおよそ3分です

 

その①「不思議の国のアリス

1951年 監督:クライド・ジェロミニ他

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はい、いきなりアニメです。先行きが不安になりますが、私にとって最も好きな映画、及びアニメーションは、このディズニーのアリスと言っても過言ではありません。

そのキャッチーで可愛いビジュアルとは裏原に、全編で繰り広げられるシュールでブラックな展開のオンパレードや、登場人物たちのエキセントリックな言動には頭をクラクラさせられます。私は基本的に、夢と現実がごっちゃになった話が大好きです。

夢の不条理さ、人間の意味不明さを、高い技術でもって見事にアニメーション化した当時のディズニーはやはりすごかった。ちなみに公開当時の評価は散々で、再評価されたのは70年代に入ってからだそう。

 

 

その②「ミツバチのささやき

1973年 監督:ビクトル・エリセ

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カルロス・サウラと並ぶスペインの巨匠、ビクトル・エリセが撮った静かなる反戦映画。内戦で分断された当時の市民たちの思想、声、そして眼差しが、ヒロイン・アナの目を通して美しくも残酷に描かれます。以前ブログで紹介した際「トトロに影響を与えている」と言いましたが、デルトロの「パンズラビリンス」にも非常に強い影響を与えています。というか、まんまですね。

 

 

その③「アマルコルド 」

1973年 監督:フェデリコ・フェリーニ 

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都市、芸術、狂騒、女、そして人生。フェリーニのそれまでが全て詰まった集大成的傑作。この映画を初めて劇場で鑑賞した時はたまげました。観終わって自分が映画の住人の一人になっていることに気が付いたからです。フェリーニの故郷リミニで繰り広げられる楽しくも切ない群像劇は、全ての人を温かく迎え入れてくれます。ちなみに「アマルコルド 」とは、リミニで昔使われていた方言「エム・アマルコルド 」の鈍りで、その意味するところは「私は覚えている」フェリーニもにくいタイトル付けますね。

 

 

その④「ゾンビ」

1978年 監督:ジョージ・A・ロメロ

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全てのゾンビの父、ジョージ・A・ロメロが送り出すゾンビサーガ第二弾。前作「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」もゾンビ史的には十分な革命でしたが、二度目のロメロもやはり凄かった。ショッピングモールでの篭城戦、サヴィーニによる特殊メイク、そして消費社会の風刺など、その革新性と普遍性は後のゾンビ作品に大きな影響を与えました。途中出てくる謎の坊さんゾンビがお気に入りです。

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こいつ

 

 

その⑤「ビッグ・リボウスキ

1998年 監督:イーサン&ジョエル・コーエン

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コーエン兄弟の残酷じゃない方の傑作。とはいえ、作中に登場するキャラクターの背景や事の顛末を考えれば、色んな意味で残酷なんですけども。「残酷なものをコメディにする」というのは、チャップリンがよくやる手法ですね。この映画の影響で酒(白いカクテル)とボーリングが無性に恋しくなりました。まあ、どっちも苦手(ヘタクソ)なんですけど。

 

 

その⑥「欲望」

1966年 監督:ミケランジェロ・アントニオーニ

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出ました。トンデモ邦題でお馴染みアントニオーニの「欲望」です。どうやったら「BLOWーUP(現像・引き延ばし)」が“欲望”になるのか、全くもって謎です。さておき、内容はやはり最高で、アントニオーニらしい現代人風刺と、消費社会の馬鹿馬鹿しさがシュールに描かれています。良いと思って信じていたものが、次の瞬間すぐゴミになる。これぞ正しく、現代社会。ちなみにこの映画をモロにパクって(オマージュともいう)生まれたのが、かの「ミッドナイト・クロス」です。

 

 

その⑦「話の話」

1979年 監督:ユーリー・ノルシュテイン

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はい、またアニメです。ソ連が生んだ世界最高のアニメーション作家、ユーリー・ノルシュテインの集大成にして、自身の原点に立ち返った芸術作品。ノルシュテインの子供時代が色濃く反映されたその内容は、当時のソ連の厳しさ、冷たさ、そして温かさを、美しい映像と音楽でもって回顧的かつ寓話的に語りかけます。恐らくこれまでも、そしてこれからも、アニメーションでこれ以上の芸術作品は生まれないことでしょう。

 

 

その⑧「ホーリー・マウンテン

1973年 監督:アレハンドロ・ホドロフスキー

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普段映画を見ない友人に勧めたら、ほぼ確実に感性を疑われる(もしくは心配される)系映画筆頭の前衛作品。複製され、大量生産される現代の神。そして、そんな偽りの神を崇め奉る愚者たち。選ばれし特別なものたちが、不老不死に至るまでの旅路を描いた、何とも胡散臭い話なんですが、そのオチも含めて、やはりホドロフスキーは只者じゃありません。オウムは恐らくこの映画を間違った解釈でもって犯罪集団と化したんじゃないかと思います。

 

 

その⑨「ざくろの色」

1969年 監督:セルゲイ・パラジャーノフ

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パラジャーノフの映画はやはり、その色彩感覚と美術、そしてカメラワークが圧倒的で素晴らしい。どの映画も基本、ロミオとジュリエット的な身分格差が生んだ悲劇が基本となっていますが、この映画ではすれ違う恋人二人の様子を文字通り「絶対に一緒の画面に映さない」ことで表現してます。どんな頭してればこんな発想が浮かんでくるんでしょうか。天才的です。

 

 

その⑩「HANAーBI」

1997年 監督:北野武

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「あの夏、一番静かな海。」で見せた美しくも儚い愛の姿、「ソナチネ」で繰り広げられた狂気と暴走。それまでのキタノ映画の全てが詰まった、集大成的映画にして傑作。北野武を筆頭に、脇を固める役者の演技、久石譲の音楽、そしてキタノブルーなど、まさに奇跡のような映画です。人とは、愛とは、こんなにも素晴らしく、そして重い。

 

 

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以上、オールタイムベスト10選でした。以前好きな映画監督10選 - その辺の趣味ブログをやりましたが、それとは全然違う内容になってますね。好みの監督と好みの作品が、必ずしも一致する訳では無いのが映画の不思議なところです。

誰しも10年前のオールタイムベストが今と全く違うように、恐らく10年後はまた違う結果になっているんじゃないでしょうか。ベストなんてものは、極論その日ごとに変わる気分みたいなものですから。それではまた。