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主に映画の話しかしません。

好きな映画『進撃の巨人』

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好きな映画の紹介でも。今回は漫画「進撃の巨人」を実写映画化した作品「進撃の巨人ATTACK ON TITAN

巨大化する人類と、踏み潰される人類。巨人の足音は絶望の輪舞曲を響かせる…以下はあらすじ。

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100年以上前、人間を捕食する巨人が現れ、人類のほとんどが食べられてしまった。生き残った者たちは巨人の侵攻を阻止すべく巨大な壁を3重に作り上げ、壁の内側で暮らしていた。エレンやミカサもそんな中の一人だった。そんなある日、100年壊されなかった壁が巨人によって破壊されてしまう…

平成ガメラシリーズ、シン・ゴジラ等で特技監督を務めた樋口真嗣がメガホンをとった特撮映画。人を虫けらの如く踏みつぶす異形の存在“巨人”と、巨人の脅威に怯え、壁という“安全”に支配された人類の攻防が描かれる本作は、今更説明不要な程に有名な漫画原作の実写映画化作品だ。

数多く登場するオリジナルキャラクターや、物語の舞台、設定、展開等々、あらゆるところに脚色が加えられているこの映画は、原作の要素を半分だけ間借りした「残酷怪獣映画」、もしくは「巨大ゾンビ映画」といったテイストの作品だ。どちらも日本産の映画(海外でもあまり見かけない)としてはかなり珍しいジャンルな上に、このジャンルで大作並みの予算を組み、豪華キャストを用意して作ったというのは最早奇跡に近い。それだけでも、この映画を見る価値は十分に存在する。

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視線も虚に襲いかかる巨人たち、それになす術なく喰われる人間たち。あまりに理不尽かつ不条理な世界に対して、巨人殲滅隊のリーダーシキシマは、密かに蓄えた武力を使って革命を企てる。シキシマ曰く、壁の中央に住む人間たちこそ、壁内世界を腐敗させた元凶であり、内地が滅べば世界は変わるという。

この映画で描かれる本当の絶望、本当の敵とは何か?劇中、シキシマは「本当の敵は巨人ではなく“安心”だ」と呟く。経済、社会という巨大な壁に阻まれ、狭い島国の中に閉じ込められる現代の日本人と、その若者たち。映画製作陣が漫画原作を通じて語りたかったことは、現代日本が抱える逼塞感と絶望感を、“巨人”という怪物になぞらえて描くことに他ならない。

主人公エレンは、そんな世界や人々に対して叫ぶ。「不自由な天国よりも、自由な地獄を俺は選ぶ

この台詞はミルトンの「失楽園」における堕天使ルシファーのものだ。巨人たちが作り出した経済、文化、コンクリートで覆われた壁。それらに縛られ、先進的な奴隷でいることに満足できないエレンは、壁の向こう側を夢見て一歩を踏み出す。叛逆者とは、破壊者であると同時に、自由を求める開拓者でもあるのだ。

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2020年7月18日、30歳の若さでこの世を去った三浦春馬さんに哀悼の意を表します。